フランチャイズ本部の業務に携わっていると、こんな場面に心当たりはないでしょうか。
・マニュアルを共有しているのに、守られていない
・何度も説明しているはずなのに、同じ質問が来る
・施策を出しても、店舗ごとの対応にバラつきが出る
・「なぜこの意図が伝わらないのか」と感じてしまう
そのたびに、本部側としては
「もっと主体的に動いてほしい」
「オーナーとしての意識を持ってほしい」
と考えてしまいがちです。
しかし、本当にそれはオーナー個人の問題なのでしょうか。
本部とオーナーは、同じ立場ではない

まず大前提として、本部とオーナーは「同じブランド」に属してはいますが、置かれている立場はまったく異なります。
本部は、
・複数店舗
・過去の成功・失敗事例
・全体最適の視点
を持っています。
一方、オーナーが向き合っているのは、
・自分の店舗
・今日の売上
・明日のシフト
・今いるスタッフ
です。
本部が見ているのは「中長期的なブランド価値」。
オーナーが見ているのは「目の前の現実」。
この視点の違いが、一番最初のズレを生みます。
オーナーは「経営者」であり「現場の人」

フランチャイズオーナー(店舗責任者)は、経営者であると同時に、現場の責任者でもあります。
・スタッフが急に休んだ
・クレームが発生した
・売上が落ちている
・人が採用できない
こうした状況では、
「本部の施策をじっくり読み込む」
「マニュアルを確認する」
という行動は、どうしても後回しになってしまいます。
本部から見ると「基本的な対応」に見えることも、
オーナーにとっては「今すぐやらなくても命取りではないこと」
として判断されてしまうのです。
これは意識の低さではなく、優先順位の違いです。
マニュアルが機能しない本当の理由

多くのフランチャイズ本部では、時間と労力をかけてマニュアルを整備しています。
それでもなお、現場で十分に活用されていないケースは少なくありません。
理由は、実はとてもシンプルです。
・どこに書いてあるのか分からない
・量が多く、必要な情報にたどり着けない
・自分の状況に当てはまるのか判断できない
オーナーは、マニュアルのすべてを理解したいと思っているわけではありません。
知りたいのは常に、
「今、この状況で、何をすればいいのか」
それだけです。
マニュアルの内容そのものが悪いのではなく、
「使われる前提」で設計されていない
これが実態だと私たちは考えています。
実際の現場では、
「共有はしたけれど、本当に見てもらえたかは分からない」
という状態が常態化している本部も少なくありません。
この状況が続くと、
・対応のばらつきが生まれる
・注意や指摘が増える
・本部と加盟店の信頼関係が少しずつ崩れる
といった負の連鎖が起きやすくなります。
本部の立場からすれば、
「見ていないのが悪い」
「売上を上げたいなら自主的に読んでほしい」
そう思うのも、もっともです。
実際、その通りだと思います。
しかし、最終的に「撤退」という結果になったとき、
困るのは加盟店だけではなく、本部も同じです。
だからこそ私たちは、
「マニュアルを作ること」よりも
「確実に伝わっている状態をつくること」
が重要だと考えています。
弊社では、
マニュアルを本部から加盟店へ一斉に共有し、
誰が・いつ・どの資料を・どれくらい閲覧しているかを確認できるシステムも提供しています。
「見たかどうか分からない」
「伝えたつもりで終わってしまう」
そうした状態をなくし、本部と加盟店が同じ前提に立てる環境を整えることが、結果的にブランド全体を守ることにつながると考えています。
本部の「当たり前」は、オーナーにとっての「例外」
本部では、日々さまざまな加盟店の事例が集まります。
・この施策は他店で成功している
・この対応がスタンダード
・この流れで進めるのが普通
しかし、オーナーから見れば、それはすべて「自店にとっての未知の話」です。
「うちは人が足りない」
「この立地では同じやり方は難しい」
「今はそれどころではない」
本部の想定が外れているのではなく、
前提条件が共有されていない
それだけで、動けなくなってしまうのです。
オーナーが“動かない”のではなく、“判断できない”

多くのオーナーは、決して指示を無視しているわけではありません。
・この場合、やるべきなのか
・今やらないといけないのか
・優先度はどれくらいなのか
これが分からないまま、判断を先延ばしにしているケースがほとんどです。
判断に必要な情報が揃っていない。
だから、動けない。
これは能力の問題ではなく、情報設計の問題です。
本部とオーナーの間で起きている「情報の断絶」

本部とオーナーのコミュニケーションは、意外と断片的です。
・一部はメール
・一部はLINE
・一部は電話
どこに何がまとまっているのか分からない。
過去の経緯が残っていない。
結果として、
「聞いた人だけが知っている」
「SVだけが把握している」
という状態が生まれます。
この構造が、本部側から見ると
「オーナーが動いてくれない」
という印象につながってしまいます。
私たちが考える「オーナーが動きやすくなる仕組み」

私たちは、フランチャイズ本部向けのシステムを考える際、
「オーナーを管理する」という発想は取りません。
重視しているのは、
・迷わない
・探さなくていい
・判断の背景が分かる
この3点です。
オーナーが動けないのは、やる気がないからではありません。
動ける状態が用意されていないだけです。
だからこそ、本部の意図や優先度、過去の判断が自然に伝わる設計が必要だと考えています。
オーナーと本部は、対立構造ではない

本部とオーナーは、対立する存在ではありません。
本来は、同じ方向を向くパートナーです。
その関係が崩れる原因の多くは、
人の問題ではなく、オーナーの不安に起因するものです。
「黒転しなかったらどうしよう」、「大きな問題になったらどうしよう」そんな不安とオーナーは、日々戦っているはずです。
私たちはそう捉えています。
まとめ
・オーナーは動きたくないわけではない
・判断材料が不足しているだけ
・ズレは構造から生まれる
フランチャイズが成長すればするほど、
人の努力だけでは支えきれなくなります。
だからこそ、
オーナーと本部の間にある見えない負担を整理し、
仕組みで支えることが、これからのフランチャイズ運営には欠かせません。
弊社紹介
株式会社NAMIKI LAB (ナミキ ラボ) はFC本部の為のシステムを受託開発する会社です。FC特化だからこそ、今までの経験をもとに本当に必要な機能を逆提案できるのが弊社の強みです。
こんなツール、システムが欲しい、というご要望でも、情報交換ベースでも問題ございませんので、お気軽にご相談ください。
